2021/07/02 21:13


「指差し確認」
忙しくても、絵の具のように準備や後片付けせずに、どこでも気軽に描けるから、
例えば旅先や自宅でも描けると思って、色鉛筆の小さな絵を描いてるんだけど。
何枚も描くうちに、だんだん1枚に時間がかかるようになっていって、
これなら絵の具の方が全然早いんじゃないかとさえ思って、若干後悔。
さらに、絵というのは、描いてると、自分の性格とか癖とかダメなところが、
全部見えてきて、嫌になる。

おっちょこちょいで、慌てん坊、せっかちなところもあって、仕事が雑になりがち。
よく考えないで行動に出てしまう、出たとこ勝負の場当たり主義。計画性の無さ。
作りながら作るタイプ。描いていかないと、はっきりしたゴールが見えない。見切り発車。
論理的でない、あやふやで曖昧で、アバウトな進行。
だからでき上がってから突然ダメなところが見えて、やり直す。
完成後および作業中の修正がすごく多い。消しゴムばかり使う。

絵を描くことはほとんど性格判断だ。
悪いところがそのまんま出る。
でもそういうのが自覚できるようになったのは、歳をとってきてからだ。
嫌なところが見えるから、わざわざ静かに慎重に時間をかけるようになった。
そうすると、自分の弱点は弱点のままに、しくじらないで絵を描きあげられるようになった。
若い時は、どこか勢いで描いてたし、自分のことなんてわからなかった。
もちろん、性格なんて治らないから、同じ失敗は繰り返すんだけど。

今は、焦らず静かに楽しんで描けば、今までの長い経験の、
よかったところが、出そうとせずともニジミ出るような気がする。
やなとこが「出ちゃう」ように、きっといいところも「出ちゃう」もんで、
無理に出そうとすると、出ないものなんだろう。
個性なんて、自分で見えるもんじゃない。
やなところが出ないように注意してたら、いいとこも自然に出てるもんだと思う。
ウマイヘタは別に。
でもウマイヘタというつまらない基準からはみ出た絵が描きたいわけだから、そうするしかない。
個性だの才能なんて、考えるとロクなものはできないと思う。
ただ描きたいと感じたものを、リラックスして描くだけ。
しくじりそうなところは、指差し確認しながら、進もう。