2020/12/02 18:14

(1)よりつづき
これが「動物の人達」の本の中身です。
見開きごとに、このように動物の人の絵が、簡単なコメントとともに載っています。
絵は、中太のマジックインキで描き、色は当時イラストの仕事をもらっていた編集プロダクションにあった、
30色のマービーマーカー(水性サインペン)で塗ったものです。
先に絵を描いてから、その絵を見て、名前を考え、そして思い浮かんだその人のことを書きました。
思い返せば、今の箸置きと同じように、ほぼ即興で描き始めました。
だんだん絵が溜まって、本にできるかもと思ってから、いろんなことを考えて描くようになった。
文章は英訳されていて、図鑑的な実際のその動物のデータも載っている。
そのモノクロの絵も、ボクが筆ペンで描いたものです。
英訳は近所の飲み屋の常連のアメリカ人女性にお願いした。クリスタ、元気かな。
(そういえば後でちょっと誤訳があるのがわかったっけ)
ボクは、子供の頃から大人の図鑑が大好きだったので、
英語や何か自然科学的なデータがどうしても入れたかったんです。
子供にはわかんないことが書いてあるのが図鑑だったから。
今でも、大人が、ただ「子供向けに」とやさしく書いた本が好きじゃないのは、
図鑑のわからないけど魅力的なオトナの文字が書いてあった魅力が忘れられないからです。
子供をなめて作ってるような本は嫌い。子供は意味なんか分からなくても、本質をちゃんと見てる。

そんなふうに作った「動物の人達」も、出版から実に35年もたった。
今では、ご覧のように、紙がすっかり日に焼けちゃって、シミなんかも浮いています。
だけどこの本への思い入れは、今も変わらないので、なんとか生まれ変わらせたかったんです。